■ 【請負開発案件】システム開発 導入事例 - リキシャ ![]()
※ (リキシャについて) リキシャは、旅行会社向けサービス企業である株式会社エフネス(以下 エフネス)のグループ会社として、ランドオペレーション、エクスペディア代理販売などの事業を展開しています。2016年2月に設立。
リキシャでは「エクスペディアによるホテルや航空券の予約を、旅行会社向けに卸販売すること」を主要な業務の一つとしています。日進には、そのためのWebシステムである「Rikisha EasyREZ」のスクラッチ開発を依頼しました。
― 「エクスペディアを旅行会社に卸し販売する」とは具体的には? 具体的には次のような形になります。
リキシャが提供する付加価値は一言でいえば「ファイナンス機能」です。リキシャを使えば、旅行会社は日本の一般的な商習慣である「掛け払い」の感覚でエクスペディアを使うことができます。 根本のところからご説明します。 まずエクスペディアはアメリカの会社であり、決済はBtoB、BtoCを問わず「クレジットカード」で統一されています。しかし、日本の法人間取引では「月末締め翌月末払い」のような「掛け払い」が一般的です(※1)。 もちろん旅行会社がエクスペディアに直接アクセスして自分でホテルを予約することは可能です。しかし、その場合、単純化していえば「旅行会社はエクスペディアにクレジットカードに前払い」「顧客である法人への請求は請求書による事後回収」となり、入出金サイクルにズレが生じます。 このズレによる弊害は、「顧客から、ホテルのキャンセル、予約変更などの依頼があったとき」などに顕在化します。たとえば次のような場合です。
この場合、一時的にですが、旅行会社の銀行口座からはお金が先に引き落とされることになります。旅行会社側の担当者は、その一時出金を翌月の入金と突合しなければなりません。このケースでは、キャンセル料金がかかりませんでしたが、もし「キャンセル料50%」などが発生した場合、突合はさらに煩雑になります。 こうした例外処理も月に1,2件であればスポット対応が可能です。しかし大手旅行会社では、月に1000件~2000件もの法人向け旅行手配を行っており、何かの理由で大量キャンセル(あるいは変更)が発生した場合には、業務に支障が出ます。 また一時的にせよ出金があれば、その時期はキャッシュが減少するので、資金繰りにも考慮が必要になります。つまり「旅行会社がエクスペディアで自主予約」した場合、予約数が多くなればなるほど「オペレーション」と「キャッシュフロー」の両面でリスクが増大するのです。
― そのリスクがリキシャ(Rikisha EasyREZ)を使えば回避できるというわけですね。 はい、そのとおりです。 旅行会社がRikisha EasyREZを介してエクスペディアを使った場合は:
キャンセルその他による「一時的な出金(キャッシュ減少」「事務作業増大」などファイナンスおよびオペレーションのリスクは、すべてリキシャが負担します。 Rikisha EasyREZで旅行会社がホテル等を予約する際、最初それは「仮予約」というステイタスになります。仮予約の期間中は自由にキャンセルできます。そして一定期間を経過した後「ファイナル(本予約)」のボタンを押すことにより、リキシャへの支払いが確定します。
― Rikisha EasyREZは具体的にどのようなシステムなのでしょうか。 Rikisha EasyREZのシステム概要は次のとおりです。
リキシャがRikisha EasyREZの開発を日進に依頼した理由は次の二点です。 理由1.「日本の旅行業界の知識が豊富」 Rikisha EasyREZのユーザー価値は「米国大手予約サイトであるエクスペディアを、日本の商習慣の感覚で活用できる」というものです。したがってRikisha EasyREZには、日本の商習慣がきめ細かく適切に反映されている必要があります(そうでないとシステムの価値がありません!) 日進の担当者は、日本の旅行業界の業務の流れ、実情、決済形式について豊富な知識を持っており、安心して仕事を任せることができました。「日本の決済形式で使えるシステムにしてください」と伝えるだけで、それ以外の細かいことをディテールで依頼する必要はありませんでした。 「旅行業界について豊富な知識を持ち、多くを指定せずとも、『使えるシステム』をきっちり仕上げてくれること」、これが日進に開発を依頼した最大の理由です。 理由2.「提案力」 日進の担当者からは「Rikisha EasyREZは実用第一のインターフェースにしましょう」「エクスペディア本体についている『美麗なデザイン』『動的ナビゲーション』『滅多に使わない便利機能』などは全部削除、画面はとにかくスッキリしましょう」という提案がありました。私たちとしては「これではシンプルを通り越して”素っ気ない”のではないか」と懸念もありましたが、担当者からは「業務システムはデザインより実用性が重要です」と説明があったので、提案を受け入れることにしました。 システム公開後は、旅行会社から「スタッフが毎日使うシステムとしてはベストの使い勝手」「最短の導線で目的のホテルを探せる」と高評価を得ることができました。 Rikisha EasyREZは2011年11月に一般公開し、おかげさまで順調に利用企業を拡大しています。この「エクスペディア卸事業」は、アジア圏での販売を拡大したいエクスペディアと、ホテル予約を事業として確立したい当社の思惑が一致して始まったものですが、それがRikisha EasyREZの開発・公開により、一気に現実化することになりました。 Rikisha EasyREZは、その後も、ユーザーの声を取り入れながら改善を続けています。最近は、「ホテルのマップ検索」という機能を追加しました。
― 「ホテルのマップ検索」とはどんな機能ですか。 Rikisha EasyREZ開発当初は、「都市と宿泊日を選ぶと、そのとき空室のあるホテルが一覧表示される」という簡易な形式でした。しかし、この方式の場合、お客様からたとえば「ニューヨークの○○ストリート付近のホテルを」と指定されたときに、どのホテルがそれに該当するのかがすぐに分かりません。 そこで日進に追加開発を依頼し、検索結果のホテル名のそばにマップボタンをつけて、簡単に地図を表示できるよう改善しました。こうすれば、現地の地理に詳しくないオペレータでも、条件に合うホテルを見つけることができます。
― 今後の展望をお聞かせください。 Rikisha EasyREZによる「エクスペディアにファイナンス付加価値をつけて卸し販売する」という事業はおかげさまで予想を上回る伸びを見せています。このことがエクスペディアからの信頼獲得につながり、2015年にはエクスペディアのコールセンターのバックエンドシステム「Voyager」を開示してもらうことができました。 これにより従来は、エクスペディアのコールセンターに電話で問い合わせていた複雑な案件を、Rikisha EasyREZを使って対応が可能になり、リキシャから旅行会社への対応スピードを改善することができました。 このような好循環が幸いし、先月2016年2月には、「エクスペディア事業」を担当していたエフネスの事業部門を分社独立させて、新会社であるわたしたち「リキシャ」が誕生した次第です。 リキシャは今後ともランドオペレータ企業として、お客様である旅行会社に確かな価値を提供していきたいと考えています。日進には、そうした弊社の取り組みを、基幹サービスシステムであるRikisha EasyREZの継続改善を通じて後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。
※ リキシャのホームページ (簡易サイト) ※ 取材日時 2015年3月 ※ 取材制作:カスタマワイズ
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